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おたふくかぜ

おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は感染性のウイルス感染症で、唾液腺が肥大して痛みます。この感染症は特に成人の場合、精巣、脳、膵臓(すいぞう)を侵すことがあります。

子供は、感染した人がせきをした際に飛び散って空気中を浮遊している小さな水滴を吸いこんだり、感染した唾液で汚染されたものに直接触れることによって、おたふくかぜに感染します。おたふくかぜは、はしかや水ぼうそうほど感染力は強くありません。非常に人口が密集した地域では、おたふくかぜは年間を通じてみられますが、冬の終わりから春先にかけて最も多くみられます。免疫のない人たちが大勢一緒にいる場合に流行が起こることがあります。この感染症はどんな年齢の人にも発症しますが、大半は5〜15歳の子供に起こります。2歳未満の子供では、この感染症はまれです。おたふくかぜのウイルスに一度感染すると、普通は生涯にわたって免疫が得られます。

症状と診断

感染して14〜24日後に症状が出はじめます。大半の子供に、寒気、頭痛、食欲の低下、全身のだるさ(けん怠感)、軽度から中等度の発熱などが現れます。これらの症状が現れて12〜24時間以内に唾液腺が腫れますが、これは2日目に最もひどくなります。一部の子供は単に唾液腺の腫れだけが現れて、他の症状は現れません。この場合、ものをかんだり飲みこんだりする際に痛みがあり、特にかんきつ系の果物ジュースのような酸味の液体を飲むと痛みます。唾液腺に触れたときも痛みます。この段階では、通常は熱が39.5℃か40℃まで上がります。

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おたふくかぜ

おたふくかぜ

思春期以降に感染した男性のうち約20%で、片側か両側の精巣が炎症を起こします(精巣炎)。精巣の炎症は非常に痛みます。治った後に、侵された精巣が小さくなることがあります。両方の精巣が損傷を受けると、不妊症になる場合があります。

おたふくかぜにかかった人の10%で、脳や脳を覆う膜のウイルス性感染症(髄膜脳炎)が起こります。髄膜脳炎にかかると頭痛、首のこわばり、嗜眠(しみん)状態、昏睡、けいれんなどが起こります。多くの人は完全に回復しますが、一部の人には神経性難聴や顔の筋肉の麻痺など、神経や脳に永久的な障害が残ります。普通これらは体の片側にのみ起こります。

感染症を発症して最初の週の終わりに、膵臓の炎症(膵炎)が起こることがあります。この疾患では、軽度から重症までさまざまな程度の腹痛、吐き気、嘔吐などが起こります。これらの症状は約1週間以内に消えて、その患者は完全に回復します。

おたふくかぜの診断は、特におたふくかぜの流行があるときに発症した場合は、その典型的な症状に基づいて行います。検査をすればおたふくかぜのウイルスと抗体が特定できますが、診断のためにこのような検査が必要となることはまれです。

経過の見通し、予防、治療

おたふくかぜにかかった子供のほとんどすべては、問題なく完全に回復します。しかしまれですが、約2週間後に症状が再び悪化する例もあります。

おたふくかぜの予防接種は小児期の定期接種であり、月齢12〜15カ月の間に受けます(乳児と小児の予防接種スケジュールを参照)。年間の発症数は1000例未満です。いったん感染症が始まると、決まった経過をたどります。不快感をできるだけ少なくするために、よくかむ必要がある食べものや酸性の食べものは、子供に与えないようにします。アセトアミノフェンやイブプロフェンのような鎮痛薬を頭痛や不快感を緩和するために使うことがあります。

精巣に炎症を起こした少年や成人男性は、安静にする必要があります。陰嚢(いんのう)をスポーツ用のサポーターや大腿部(だいたいぶ)の間に張った粘着テープで支えることもあります。氷のうをあてると痛みが和らぎます。

膵炎によりひどい吐き気や嘔吐が生じた場合は輸液を行い、口からの摂取は数日控えるようにします。髄膜脳炎を起こした子供には、輸液と、発熱と頭痛の緩和のためにアセトアミノフェンやイブプロフェンが必要となります。けいれんが起きた場合は、抗けいれん薬が必要となります。

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