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百日ぜきとは百日ぜき菌により起こる感染性の高い感染症で、通常せきの発作がみられ、それは長く高い音をたてて深く吸いこむ息で終わります。
百日ぜきはかつて米国でまん延しましたが、今ではあまりみられません。しかし世界的には、この病気はまだ存在していて主要な問題の1つになっています。予防接種を受けていない人々の間で、地域的な流行が3〜5年ごとにみられます。百日ぜきはどの年代の人にも起こりますが、患者の3分の2近くは5歳未満の子供に発症しています。百日ぜきに1回かかっても、必ずしも一生続く免疫を得られるわけではありませんが、2回目にかかった場合は、もし発症しても通常は軽度であることが多く、百日ぜきだと認識されないこともあります。実際、「歩く肺炎」とされる成人の一部は百日ぜきにかかっています。百日ぜきは2歳未満の子供の場合、最も症状が重くなります。
感染した人がせきをした際、空気中に飛び散る飛沫によって、百日ぜきの菌は広がります。近くにいてこれらの飛沫を吸いこんだ人が感染します。感染から3週目以降は、百日ぜきは普通感染性がなくなります。
症状
この病気は約6週間続き、軽いかぜのような症状の時期、重いせきの発作が起こる時期、そして徐々に回復する時期の3段階で進行します。かぜのような症状とは、くしゃみ、鼻水、全身のだるさ(けん怠感)などです。1〜2週間後には典型的なせき発作が始まります。これらの発作では、典型的には5〜15回かそれ以上の回数の連続したせきが出て、その後にフープ(長くて高い音のする深い吸気)があります。発作の後は、呼吸は正常に戻りますが、その後すぐに新たなせき発作が始まります。せきをするとしばしば濃いたんが大量に出ます(普通、乳児や子供では飲みこまれたり、鼻から大きなあぶくとしてみえます)。幼児では、長いせき発作の後に嘔吐することがよくあります。乳児では、息苦しさと呼吸の一時的な停止(無呼吸)が起こり、皮膚が青くなることがあります。
この病気の子供の約4分の1は肺炎を発症し、呼吸困難に陥ります。百日ぜきの結果として、耳の感染症(中耳炎)もしばしば発症します。まれですが、百日ぜきが乳児の脳に影響を与えることがあります。脳の出血、腫れ、炎症などにより、けいれん、錯乱、脳の損傷、精神遅滞などが生じます。
数週間後には、せき発作は次第に治まりますが、数週間から数カ月もせきが長びいて残ることもあります。
診断と経過の見通し
典型的なフープのあるせきやそのほかの症状があった場合はこの病気を疑い、鼻の後部やのどから採取したたんのサンプルを培養して診断を確定します。病気が始まって数週間たっていた場合は、培養結果はしばしば陰性になります。鼻やのどから採取したサンプルでそのほかの診断検査(ポリメラーゼ連鎖反応や迅速検出検査など)を行うと診断に役立ちます。
百日ぜきにかかった子供の多くは完全に回復しますが、時間がかかります。1歳未満の子供では約1〜2%が死亡します。
予防と治療
子供は百日ぜきの予防接種を定期的に受けます。百日ぜきのワクチンは、普通はジフテリアと破傷風のワクチンと混合されています(乳児と小児の予防接種スケジュール を参照)。百日ぜきにさらされた子供には、予防法として抗生物質のエリスロマイシン(ときにはクラリスロマイシンやアジスロマイシン)を投与します。
容体の重い乳児は普通入院させます。乳児が呼吸困難を起こすと重症になり、気管に挿入したチューブを通して機械換気をする必要が生じるからです。酸素補給や点滴が必要になることもあります。年長の小児で病気が軽度の場合は、自宅で治療します。せき止め薬の効果は疑わしく、普通は使いません。
百日ぜきを起こす細菌を根絶するために、普通は抗生物質のエリスロマイシン、クラリスロマイシン、あるいはアジスロマイシンを使います。抗生物質は、百日ぜきに伴って起こる肺炎や中耳炎などの感染症の治療にも用います。
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