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産後うつ病とは、分娩直後の数週間、ときに数カ月後までの時期にみられる強い悲嘆と、それに関連する心理的障害が起きている状態をいいます。
産後3日以内に生じる悲しさや惨めさなどの感情は、マタニティーブルーと呼ばれ、多くの人が経験します。こうした感情は通常は2週間以内に治まるので、あまり心配することはありません。産後うつ病はこれより重症の気分の変化をいい、数週間から数カ月間続きます。このタイプのうつ病は女性の約1%にみられます。さらに重症で、ごくまれなタイプの産後うつ病は、産後精神病と呼ばれ、精神病的な行動を伴います。
産後に悲しい気持ちやうつ状態が生じる理由はよくわかっていません。一部のホルモン、特にエストロゲンとプロゲステロンが急激に減ることがその一因とも考えられています。妊娠前からうつ病があった人は産後うつ病になる可能性が高いので、妊娠中に医師や助産師にうつ病のことを伝えておきます。陣痛や分娩の苦しみ、睡眠不足、孤立感や無力感など、出産や育児に伴うストレスも産後うつ病の原因となることがあります。産後うつ病になる人は、妊娠前にうつ病やその他の心理的障害があったり、家族にうつ病の人がいることがあります。社会的サポートの不足や夫婦の不和によって、産後うつ病が起こる可能性はさらに高まります。
頻繁に泣くようになったり、気分のむら、刺激への過敏性、悲嘆などの症状がみられます。これよりまれですが、極度の疲労、集中力の低下、睡眠障害、性欲の低下、不安感、食欲や嗜好の変化、無力感、絶望感などもみられます。こうした症状は日常生活の妨げとなります。産後うつ病の人は、産んだ子供にまったく関心を示さなくなることもあります。
産後精神病では、うつ状態に加えて、自殺願望、暴力的思考、幻覚、奇異な行動がみられることがあります。ときには子供を傷つけたいと考えることもあります。
産後の女性が悲しく沈んだ気持ちになった場合、家族や友人の支えがあればそれ以外の治療は必要ないことがほとんどです。しかし、うつ病と診断されたときには専門家の助けも必要となります。カウンセリングと抗うつ薬療法(うつ病の主な治療薬 を参照)を組み合わせた治療がよく行われます。産後精神病では、入院治療が必要になることもあります。この場合、できれば子供と一緒に過ごせる部屋に入院します。治療には抗うつ薬のほか、抗精神病薬(主な抗精神病薬 を参照)が必要になることもあります。母乳で子育てをしている人は、薬を服用する前に、授乳を続けられるかどうかを医師と相談します(授乳中に使える薬と使えない薬 を参照)。
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