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流産(自然流産)とは、妊娠24週までに人為的でない原因によって胎児が失われることをいいます。
流産はハイリスク妊娠で多くみられます。妊娠が認められた人の約15%が流産しています。実際にはこのほか、妊娠とわかる前に流産して気づかずにいるケースが相当数あると考えられています。流産のうち約85%は妊娠12週までに起こります。この時期に起こる流産のほとんどは、先天異常や遺伝病など胎児側の原因によるものと考えられています。
残りの15%の流産は妊娠13〜24週に起こります。このうち約3分の1は原因不明ですが、残りの3分の2は母体側の原因によるものです。たとえば、子宮が2つに分かれている重複子宮や、子宮が大きくなるにつれて子宮口が開いてしまう子宮頸管無力症など、生殖器の構造的な異常が流産の原因となることがあります。またコカインの使用、外傷、ある種の病気なども流産の原因となります。甲状腺機能低下症、糖尿病、感染症(サイトメガロウイルス、風疹など)、結合組織疾患(全身性エリテマトーデスなど)といった病気が流産を引き起こすことがあります。Rh式血液型不適合(母体はRhマイナスで胎児はRhプラスの場合)も流産のリスクを高めます。情動的障害は流産とは関係ありません。
過去に流産や早産の経験がある人は、流産しやすい傾向があります。12週までの妊娠初期に3回続けて流産した人では、次に流産する確率は約4分の1です。流産を繰り返している人は、次の妊娠をする前に、遺伝子異常や生殖器の構造的な異常、流産しやすい病気などがないか調べた方がよいかもしれません。構造的な異常を調べるには子宮鏡検査、子宮卵管造影、超音波検査などの画像検査が行われます。過去の流産の原因がわかった場合は、可能であればその原因を治療します。
症状
流産の前には普通、少量またはかなりの出血と腟からのおりものがみられます。子宮が収縮してけいれん性の痛みが起こります。妊婦のおよそ20〜30%が妊娠20週までに少なくとも1回は出血やけいれん性の痛みを経験しますが、そのうちおよそ半数が流産に至ります。
妊娠初期の流産では、腟からの少量の出血以外には特に徴候がみられないこともあります。これに対し、妊娠後期の流産では大量に出血することがあり、その血液に粘膜や血のかたまりが含まれていることもあります。けいれん性の痛みが徐々に激しくなり、最終的に子宮が強く収縮して胎児と胎盤が排出されます。
ときに、胎児が子宮内で死亡していても流産が起こらないことがあります。このような場合は子宮が大きくなりません。まれに、流産の前か後、あるいは流産と同時に子宮内の死んだ組織に感染が起こることがあります。こうした感染症はときに重症化し、発熱、悪寒、心拍数の上昇などを引き起こします。妊婦が意識障害を起こしたり、血圧が急激に下がることもあります。
診断と治療
妊娠20週までに出血やけいれん性の痛みがある場合は、診察を受けて流産の可能性がないかを確認します。医師はこのとき、子宮頸部が開いていないかをチェックします。子宮口が開いていなければそのまま妊娠が継続できますが、開いていれば流産する可能性が高くなります。
超音波検査も行われます。超音波検査では、流産がすでに起きているかどうか、また胎児が生存しているかどうかを調べます。流産が起きている場合は、胎児と胎盤が排出されているかどうかが超音波の画像からわかります。
胎児は生存しているが流産しそうな場合は、出血や腹痛がなくなるまでベッド上で安静を保ちます。できれば仕事は休み、家で休養を取ります。性交は、流産との関係は明らかになっていませんが、控えた方がよいでしょう。
流産が起こって胎児と胎盤が排出されてしまった場合、治療は特に必要ありません。しかし、これらの組織の一部が子宮内に残っている場合は吸引掻爬術(家族計画: 人工妊娠中絶を参照)によって完全に除去します。
死亡した胎児が子宮内にとどまっている場合は、吸引掻爬(きゅういんそうは)術によって胎児と胎盤を除去します。妊娠後期に胎児が死亡した場合は、オキシトシンなどの陣痛促進剤を静脈注射して子宮を収縮させ、胎児を娩出することもあります。分娩後に残った胎盤の掻爬が必要な場合もあります。
流産を経験した女性には、悲嘆、悲しみ、怒り、罪悪感、次の妊娠に対する不安などの感情が起こります。子供を失ったことへの悲しみは自然な反応であり、感情を抑圧したり否定すべきではありません。自分の気持ちを他の人に話すことで、自らの感情に対処し、将来へ目を向けられるようになります。以後の妊娠で流産が起こる可能性について、医師と話し合うのもよいでしょう。流産した人は次の妊娠で流産するリスクが高いのは事実ですが、ほとんどの場合、次回の妊娠は問題なく経過します。
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