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真性(原発性)赤血球増加症とは、骨髄中の造血細胞の異常により、赤血球が過剰産生される病気です。
真性赤血球増加症では、赤血球が多くなって血液の量が増えて粘性が強くなり、細い血管を通過しにくくなります。
真性赤血球増加症は、100万人に5人の割合で発症する非常にまれな病気です。診断時の平均年齢は60歳で、20歳未満の人にみられることはめったにありません。また、女性よりも男性に多くみられます。原因は明らかになっていません。
症状と合併症
一般に、症状は何年も現れません。筋力低下、疲労、頭痛、ふらつき、息切れ、寝汗などの症状がまず現れます。視界がゆがむ、暗点が生じる、閃光が見えるといった視覚的な症状が生じることもあります。歯ぐきから出血したり、小さな傷から予想以上の出血がみられることもよくあります。皮膚(特に顔の皮膚)が赤くなったり、入浴やシャワーの後に全身がかゆくなったりします。手足に熱感を感じたり、まれに骨の痛みを感じることもあります。
血液中の血小板(血液の凝固に必要な細胞に似た粒子)の数も増加する場合があります。肝臓と脾臓(ひぞう)は血球の産生を始める臓器で、さらに脾臓では血流から除去する赤血球の数も増えるため、両方とも腫大し、腹部の膨満感が生じます。肝臓や脾臓の血管で血栓(血液のかたまり)が形成されると、突然激しい痛みが生じます。
赤血球増加症の合併症には、胃潰瘍(いかいよう)、痛風、腎臓結石などがあります。血液が濃くなると(血液粘度の上昇)、心臓発作や脳卒中を起こしたり、腕、脚、肺、眼への血流が途絶えたりします。まれに、真性赤血球増加症が白血病に進行することもあります。
診断
真性赤血球増加症は、症状が現れる前に、他の理由で通常の血液検査を受けたときに見つかることがあります。ヘモグロビン(酸素を運ぶ赤血球中のタンパク質)の量とヘマトクリット値(総血液量に占める赤血球の割合)が異常に高くなります。血小板や白血球も増加することがあります。
ヘマトクリット値が高いと赤血球増加症が疑われますが、ヘマトクリット値だけでは診断できません。診断を確定するため、赤血球に放射性物質で目印を付け(標識)、体内の総赤血球量を測定する検査を行うこともあります。
赤血球増加症であることが判明したら、それが真性赤血球増加症なのか、あるいは別の原因による二次性赤血球増加症なのかを判別しなければなりません。病歴は判別の手がかりになりますが、さらに精密検査が必要となることもあります。
骨髄を刺激して赤血球を産生させるホルモンであるエリスロポエチンの血中濃度を測定することもあります。エリスロポエチン値は、真性赤血球増加症ではきわめて低くなりますが、二次性赤血球増加症では正常か高くなります。まれに、肝臓や腎臓にできた嚢胞(のうほう)や、腎臓や脳にできた腫瘍がエリスロポエチンを産生することがあります。これらの病気がある人ではエリスロポエチン値が高くなり、二次性赤血球増加症を発症することがあります。
骨髄組織を採取して顕微鏡で検査する骨髄生検(血液の病気の症状と診断: 骨髄検査を参照)も、真性赤血球増加症の診断に役立ちます。
治療と経過の見通し
症状を伴う真性赤血球増加症を治療せずにいると、約半数が2年以内に死に至ります。治療した場合の平均生存期間は15〜20年です。
治療しても、真性赤血球増加症は治癒しませんが、病気をコントロールすることによって、血栓形成など合併症のリスクを減らすことはできます。赤血球の数を減らすことが治療の目的になります。瀉血(しゃけつ)といって、献血のときと同様の方法で血液を抜き取ります。ヘマトクリット値が正常値になるまで1日おきに約500ミリリットルの血液を抜き取り、その後は必要に応じて2〜3カ月おきに血液を抜き取って正常値を維持します。
瀉血を行うと血小板の数が増加することがあり、腫大した肝臓や脾臓を小さくする効果はありません。このため、瀉血を行う場合は、赤血球と血小板の産生を抑える薬が必要になります。よく使用されるのは化学療法薬のヒドロキシ尿素ですが、この薬を長期間使用すると、白血病へ移行するリスクが高まるおそれがあります。長期間の治療が必要な若い人に対しては、インターフェロンアルファやアナグレリドなど、血小板減少作用のある別の薬が使われることもあります。放射性リンを静脈内投与する治療法もありますが、白血病に移行する可能性があるため、70歳以上に限られます。
症状を抑えるのに役立つ薬もあります。たとえば、抗ヒスタミン薬はかゆみを軽減する効果があり、アスピリンは手足の熱感や骨の痛みを軽減します。
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