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クッシング症候群は、コルチコステロイドが過剰な病気で、原因は副腎のホルモン産生過剰です。
副腎でコルチコステロイドがつくられすぎるのは、副腎に問題があるか、あるいは下垂体からの刺激が過剰であることが原因です。腫瘍(しゅよう)など下垂体に異常がある場合は、下垂体がコルチコトロピンを産生し、コルチコトロピンは副腎のコルチコステロイドの産生を制御します。小細胞肺癌などの下垂体外の腫瘍もコルチコトロピンを同様に産生します(この状態を異所性ACTH症候群といいます)。コルチコトロピンは全身のほとんどの部位にできるカルチノイド腫瘍によっても産生されます。
非癌性腫瘍(腺腫)が副腎内に発生すると、これもコルチコステロイドがつくられすぎる原因になります。副腎腺腫は非常によくみられ、70歳までの人の半数にみられます。しかし、ほんの少数の腺腫がホルモンを過剰に産生します。副腎の癌性腫瘍は非常にまれです。
クッシング症候群は、症状が重いために大量のステロイド薬を服用しなければならない人に起こります。大量の服用が必要な人は、ホルモンがつくられすぎる人と同じ症状になります。この症状は、喘息(ぜんそく)のようにステロイド薬を吸入した場合、あるいは皮膚に局所的に使用しても、起こることがときどきあります。
症状
コルチコステロイドは体脂肪の量と分布を変えてしまいます。胴周りに過剰な脂肪がつき、特に背中の上部に目立ちます。クッシング症候群の人は丸くふくらんだ顔になります(満月様顔ぼう)。腕と脚は太った胴に比べてほっそりしています。筋肉は減って力が弱くなります。皮膚は薄くなり、青あざができやすく、打撲傷や切り傷は治りにくくなります。腹部には引き伸ばしたような紫の筋が現れることがあります。クッシング症候群の人はすぐに疲れる傾向があります。
コルチコステロイドの高値が長期間続くと、血圧が上がり、骨は弱くなり(骨粗しょう症)、感染症に対する抵抗力が弱くなります。腎結石と糖尿病のリスクが増大して、うつ病や幻覚を含む精神障害が起こることがあります。女性は月経周期が不規則になります。小児は成長が遅く、身長は低いままです。副腎は大量のアンドロゲン(テストステロンとその類似物質)をつくり、女性は顔の毛や体毛が濃く、頭髪は薄くなり、性衝動が強くなります。
診断
クッシング症候群が疑われる場合は、血液中の主なコルチコステロイドホルモンであるコルチゾールを測定します。正常ならば、1日のうちでコルチゾールの値は午前中に高く、その後低下します。クッシング症候群の場合、コルチゾールは1日中高い値を示します。
コルチゾール値が高ければ、医師はデキサメタゾン抑制試験を勧めます。デキサメタゾンは下垂体を抑制して副腎のコルチゾールの分泌を抑えます。クッシング症候群の原因が下垂体による過剰な刺激ならば、コルチゾール値はクッシング症候群でない人と同レベルにはならないものの、ある程度は下がります。クッシング症候群の原因が別の場合、コルチゾール値はおそらく高いままです。コルチコトロピン値が高ければ、副腎が過剰に刺激されていることを意味します。
正確な原因を確定するためには、さらに下垂体や副腎のCT(コンピューター断層撮影)検査やMRI(磁気共鳴画像)検査、肺の胸部X線検査やCT検査を行いますが、これらの検査でも腫瘍を発見できないことがあります。
コルチコトロピンの過剰産生が原因とみられる場合は、ホルモンがつくられている部位を調べるために全身の各所から血液が採取されます。
治療
治療法は原因が副腎、下垂体、あるいは別の部位にあるかによって決まります。下垂体腫瘍の切除や破壊には手術や放射線療法が必要です。副腎の腫瘍(通常は腺腫)は手術で切除されます。これらの治療法で効果がなかったり、腫瘍がない場合は両方の副腎を摘出しなければなりません。副腎を両方摘出したり部分的に切除した人は、一生ステロイド薬を服用する必要があります。下垂体や副腎以外の腫瘍が過剰のホルモンを産生している場合は、外科的に切除されます。手術などの根本的な治療を受けるまでの間、コルチゾール値を下げる特定の薬が投与されます。
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